世界で、手話が公用語になっている国ってある?
世界のあちこちで、普通に「手話」を話す人たちがいますが、「手話」が公用語、憲法に取り組まれている国のお話を少しばかり書いていきます。
アメリカや、カナダでは手話を使う人たちにも権利があるとして、認められていますが、憲法に取り入れるほどではありません。
聞こえる人にも、小さい時から「手話」が当たり前にあって、ろう者がお願いをしなくても常に手話での通訳があるという環境にあるという風に捉えたほうが分かりやすいかもしれません。
日本も、もっともっとニュージーランドや北欧のようになってほしいなと思います。
※公用語の意味
政府の会議や裁判など、公式の場で使ってよい言語のことです。
ある国において公用語として複数の言語が定められた場合には、その全ての言語を用いて公的情報を国民へ伝えなければならない。
国家(あるいは集団)の公的機関は、全ての公用語を併記し通訳して伝えることになる。
これによって、指定された複数の言語のうちどれか一つの言語だけを理解する国民(や構成員)に対しても不利益を生じさせないという原則が守られる。
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★公用語としている国★
【ニュージーランド】
ニュージーランドでは、2006年にニュージーランド手話を英語、マオリ語の次に公用語とする、と制定されました。
【パプアニューギニア】
パプアニューギニアでは、2015年に手話が4番目の公用語となりました。
【韓国】
2016年8月4日、韓国で、韓国語と共に手話言語を公用語に指定する韓国手話言語法が施工された。
★準公用語にしている国★
(公用語と宣言はしていないもの、法的には保護されている)
【フィンランド】
フィンランドでは、1995年に、憲法で「手話」が言語として認知され、少数言語ともに、準公用語扱いになっています。
(フィンランド憲法第17条 (言語条項・自分の言語と文化に対する権利))
また、2015年3月に、フィンランド手話とフィンランド-スウェーデン手話を、フィンランドで使われる2つの手話として定義。
フィンランド-スウェーデン手話を使う人はわずか300人しかおらず、ユネスコの絶滅危機言語リストに記載されている。
【スウェーデン】
スウェーデンでは、2009年の「言語法」により、「スウェーデン手話についても、これらを保護し促進する責任を負う。」と手話は公用語と同じ扱いであるとされている。 またスウェーデンの高校では、フランス語やドイツ語と同じレベル扱いでスウェーデン手話を科目として導入しています。
【ノルウェー】
ノルウェーは、1997年に、ろう教育がバイリンガルになり、教育法2-6条項には、「手話言語を第一言語としてもつ生徒は、基礎学校で、 手話を使った指導を受ける権利を有する。」とある。
【デンマーク】
デンマークでは、手話をろう児の第一言語:母語、国語を第二言語と認識した教育法が基本となっている。
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手話ではありませんが、憲法にろう者の権利などが取り組まれている国を紹介します。
【オランダ王国】
憲法 第1条【平等】
オランダにいる人はみな、おなじ条件のもとでは平等にあつかわれる。宗教、信条、政治に関する意見、人種、性別、そのほか何にもとづこうが、差別はゆるされない。
【スイス連邦】
憲法 第8条【平等】
1 すべての人は、法の前に平等である。
2 何人も、出生、人種、性別、年齢、言語、社会的地位、生活様式、宗教的・哲学的もしくは政治的信条を理由として、または、身体的・精神的障害を理由として、差別されてはならない。
3 男女は、同権である。法律は、とくに家族、教育および労働の分野において、両性の法律上および事実上の平等を確保する。男女は、同一価値の労働について同一の賃金を得る権利を有する。
4 障害による不利益を除去するための措置を法律で定める。
【スロバキア共和国】
ろう者の手話に対する立法
第1条、本法の目的は手話の使用をろう者のコミュニケーション手段として認知し、その実現のための条件を保障することである。
第2条、ろう者 ろう者とは、補聴器を着用しても音声によるコミュニケーションができない聴覚障 害を持つ者である。
第3条、手話 1、手話とはろう者のコミュニケーションの言語である。 2、ろう者の手話は自然な視覚・ジェスチャー言語体系であり、規則的動作、重複、 手と指の動作、顔の模倣を持つ。
第4条、ろう者は次の権利を持つ。 1、手話を使用する。 2、手話を使用して教育を受ける。 3、手話を使用してテレビ放送、図書館、ビデオの情報を利用する。
第5条 1、ろう者は手話通訳者を利用する権利を持つ。手話通訳者は、ろう者が自らの生活上の問題を解決するために、政府、地方自治体、個人、法人と接する際に、公用語と 手話間相互のコミュニケーションを保障する。 2、省令が支払を求めない場合には、ろう者への通訳サービスは無料で提供される。
第6条 スロバキア共和国福祉省は省令により、以下を規定する。 1、第4条、第5条に規定されているサービスに関する支払方法、並びに無料でろう 者に提供されるサービスの範囲。 2、手話通訳者養成の範囲と内容
第7条 本法は成立日をもって発効する。
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参考資料
http://www.finlex.fi/fi/laki/ajantasa/1999/19990731
"Law on Sign Language"
WFD News, No. 1, (April 1996), p.37 Ruckay, M. (1996)
"Sign Language in Slovakia"
Disability Awareness in Action, March 1996, p. 3, Ruckay, M. (1997)
"Sign Language Interpreting Services in the Slovak Republic"
Proceedings of the XII World Congress of the World Federation of the Deaf, pp. 555-557 Vlug, L. (1995)
"ASL/LSQ Laws and Deaf Laws"
Canadian Association of the Deaf Spr å k f ö r alla - f ö rslag till spr å klag . Kulturdepartementet, Mars 12, 2009.
“Värna språken - förslag till språklag,”
SOU 2008:26, 18, Mars 2008.
“Språk för alla – förslag till språklag,”
Betänkande 2008/09:KrU9.
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