図書館で手話関係の本はどこに分類されて並んでいるか、皆さん知っていますか?
綾 久美子さんからの投稿です。
図書館で「手話関係の本はどうやって分類されて並んでいるか」というおはなしです。
ちょっと長いですが、興味あったら読んでいただけると嬉しいです。
そしてみなさんの家の近くの図書館では何番で分類されているかコメントで教えて貰えると面白いなーと思っています。
私はろう者ですが、聴者の手話学習者の方が図書館で本を借りてるかもしれませんね。
ここからが本題です。
日本の図書館は大体どこでも同じ分類のルールを採用して本が並べられているのはご存知ですか?
(ただしTSUTAYA図書館とかは独自のルールで、本屋さんに近い)
ちょっと覚えにくいけど、日本十進分類法(にほんじっしんぶんるいほう、Nippon Decimal Classification; NDC) )というルールで並べられているのです。
NDC(エヌディーシー)ともいいます。
まず、本の内容から、ざっくりグループ分けします。
グループ分けは学問のようなまとまりごとになっていて、歴史とか芸術とか言語とか。
その大きなグループの中でまた内容から細分化して…番号を決めているのです。
いわば住所みたいなもので、これが分かると本を探すことができるし、統一して並べることができる。
番号は本の背中にラベルを貼ります。
一番シンプルな場合で3桁で表示されます。
でも、小数点以下もいれて4桁や5桁で表される時もあります。
例えば「言語」は8番目のグループです。
なお、このグループの名前は「類(るい)」といいます。
古い言い方で「門(もん)」というところも結構あります。
8類(8門)は3桁のうち、最初のところに表示されます。
「8××」 つぎに二桁目にはさらに細かくした意味にあたる番号が入りす。
「81×」は日本語 「82×」は中国語 「83×」は英語 というかんじ。
3桁目になると更に細かくなります。
「813」は(日本語の)辞書のことで、さらに小数点以下に細分化すると813.1は国語辞典、813.2は漢和辞典。
8×3はどの言語でも辞書だから、833は英語の辞書で、833.1は英和辞典、833.2は和英辞典というようになる。
さて。 801.92 はなんでしょう。
答え。
80×は言語学関連で文法とか語彙とか細かく分かれます。
801.9というのは音声によらない伝達。
その更に下で801.92は…
そう、もうお分かりですね、801.92というのは手話なんです。
801.91が点字。
(図書館によっては4桁表示でどちらも801.9のところもある)
実はこれ、前々からではなくて、前は378.28(障害児教育>手話法.指話法.読唇術)のところにあったんです。
たしかに教育法としての手話もあるだろうけど、手話の辞典も手話歌も全て同じ教育のところにあるのは違和感。
2014(平成26)年に発行されたNDC10版からは801.92に変わったんです。
2013(平成25)年6月19日障害者差別解消法制定 平成25年10月11日 鳥取県手話言語条例施行 という時代の流れで、ついに図書館のルールも変わったんですね。
画期的とも言えるかも?!
言語のカテゴリーに入った手話。
手話言語法のようなものが成立しても大丈夫ですね!
なお、あたらしいNDCが出ても変えるのはシステムの対応やラベルの張り替えなどすごーく大変なので、なかなか10版に各地できりかわってないのです。
そんな中、国会図書館が、平成29年4月に10版に切り替わりました。
皆さんの地域の図書館に行った時、手話の番号が何か? 見てみたらその図書館が採用してるのは10版なのか、9版より前なのか分かりますね!
(ただし、ろう教育の本や教育法としての手話の本は378.28のまま残りますし、切り替え以前の図書は前の分類のままにする図書館もあるかもしれません )
なじみのないお話、ここまで読んでくれてありがとうございました。
分類上、手話は言語だという認識になったのはうれしいなと思って。
後はもっと多くの人が手話は言語だと知ってくれるといいなー。
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